MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第42話

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黒い外套の男は俺に血の色の刀を向けると

・・・ガキィィン・・・!!

その刃で俺を高速で斬りつけてきた

・・・キィン・・・・・・・ガシャン・・・!

 『…何…?』

刃を防いだ左腕の手甲がずれるように切断され足元に落ちる
その断面は機械でも出せないような
恐ろしいまでに美しく見事な断面だった

 (…これは力では無い…)

…俺には無い剣術という技を極めた究極の技術だ

 『…このままこの男と闘うとなると…』

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 「まずいな深緑が相手だとスルトにとっちゃ相性が悪い」

金色の敵を外套の男にとられたフロウウェンは慌てて俺の方へ
近づこうとするがその行く手を1人の人物が立ち塞がった

・・・ガキィン!!

フロウウェンは手の大剣で咄嗟に攻撃を弾く

 「あの方の邪魔はさせない」

細剣を構えた女がフロウウェンの前に立ち塞がる

 「おやおやおっかないな……キミはアシュナの恋人かい?」

 「バッ…バカを言うな!アシュナ様に失礼だぞ!」

・・・ガキィン・・・!

女は顔を真っ赤にしてフロウウェンに鋭い突きを撃ちこむ

 「はははそんなに顔を赤くして可愛いもんだな
  だが俺も相棒を苛められては困るんでね…通してもらう」

笑っていた少年の顔が厳しく鋭い表情へと変わった

 「ッ!?」

 「…ホワイトアウト!!」

・・・キィィィィィィィィン・・・!!!

フロウウェンが冷気を纏う強烈な横薙ぎを放つ

・・・キンッ・・・キンッ・・・・キンッ・・・キンッ・・・

フロウウェンを中心に扇状に地面が凍りついていた

 「…へぇ」

フロウウェンは感嘆の声を上げて見つめるその先には
霜に覆われた左腕を抑える女が立っていた

 「あの間合で避けたのか?たいしたものだな」

 「クッ…貴様…何者だ…?」

 「なに只の男さ…只のな」

そう言ってフロウウェンが大剣を下げ

 「さて通してもらうぜ」

そう言って俺の方へ向かおうとすると

 「まっ…待て…!」

女は再び行く手を遮ろうとするが

 「やめとけそんな腕でどうする気だ?…次は容赦はしないぜ」

フロウウェンは眼光だけで女を威圧する

 「それでも…ここは通す訳にはいかない!」

 「馬鹿が…そんな我を張るだけの忠誠心で何が出来る」

フロウウェンは冷たくそう言うと大剣を振り上げた


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